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うたびとのきおく

Sicx Lives関連
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探索2日目あるいはモーリーの最期

一行の中で最初にそれに気がついたのは天使だった。
島の装置が発するノイズ。

迷わずに逃げた。彼あるいは彼女をこの場に縛り付ける鎖はもともとないも等しいものだったので。
苔色の髪の美しいうたうたいには天使を使役する術も知識もなく、彼あるいは彼女の名を握っているということ自体がまやかしのようだった。そのまやかしが一瞬ゆがんだ時に、勝ったのは別の、本能的な恐怖だった。

そうして黒髪の天使プラヒムが姿を消してより半刻。
何もかもが変わってしまっていた。

弾き出す力、吸い寄せる力。荒れ狂い、歪み、突如霧散する。

苔色の髪のうたうたい、モーリス・ルドワイヤンには何の知識も術もなかった。ただ、不可思議な虚構だけがもとからあり、増幅された虚構がもとに戻るときに彼は戻ってしまった。もともとの虚構に。


幻獣と名乗る猫がなーおと鳴いた。
彼(?)はこのときを見にやってきたのだった。
満足したのか、ひと鳴きののちに、猫となったレインフィールドはゆっくりと消えた。


あとに残された妖精は、
きゃあああああああああああああああああ



ぽとん

落ちた。

洋上の定期船の甲板だった。
少女と見える人物の丸いスカートの上に。
リーリヤ「あ…妖精?」
 
それが出会いである。

不穏なタイトルですが。
 
 
前期のモーリス・ルドワイヤンがどうなったかという話と、リーリヤの顔出し。
 
モーリーは島の暴走によって多くのものを失ったのだが、
ついでに現実を失ってしまった。
 
幻想世界への境界線を越えてしまったので、
彼が今まで無自覚に召喚していた
幻獣や音素など(の幻)を喚ぶ力をこのようにして失ったのです。
 
その瞬間を予感して見物に来ていたレインフィールド(猫)は
目的を達したので幻想世界に戻っていきました(酷い)
彼は戦闘をさぼっていたので、なにも得ておらず、
従って何も失いませんでした。
 
モーリーが連れていたくいしんぼう妖精は、
暴走の余波に吹き飛ばされて、リーリヤが乗っていた船に落ちます。
こうして、物語の主人公(?)が入れ替わったのでした。
 
我ながらなんかいろいろ酷い。

ちなみにモーリーは境界を越えてしまっただけなので、
まだこの島の奥を彷徨っています。
時々外にも出てくるかもしれませんが。

彼が島の外へ出るのはまだあとの話。
そして身重の貴人一行に同道し、死の力が色濃い国で
年若い女主人とその侍女の死を看取り、
生まれたばかりの子供を土地の貴族に託すのは、
これから100年の後になります。
 
我ながらなんかいろいろ酷い。

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